初歩から学べる食事に合う日本酒の選び方

db71c863eda5ec509525a14c0fcb7625
(写真=PIXTA)

 花見酒、夏越(なごし)の酒、月見酒、雪見酒に代表されるように、四季のなかで生きる日本人は、古来より季節の移ろいを楽しむという特権を持ってきた。日本酒はそんな豊かさの象徴ともいえるだろう。日本酒の楽しみ方を学び、日本酒が主役の食事を楽しんでみてはいかがだろうか。

初めに知っておきたい日本酒の種類

 日本酒にはコクがどっしりと深いものから、すっきりと楽しめるものまで幅広い味わいがある。この香味の違いを生んでいるのが原料と製法であり、日本酒の種類はこれらの違いによって分けられている。

 米と米麹のみを使って造られるのが純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒で、甘みやコクのある香味を特徴としている。一方で米と米麹に醸造アルコールを加えたものは吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒、特別醸造酒に分類される。こちらはすっきりと飲みやすい味わいが特徴だ。

 また、日本酒のラベルを見ると「精米歩合」という表示がある。これは玄米の表面をどのくらい削っているかを表すもので、削る部分が多く米の中心部を使っているほど香りが高くなるとされている。なかでも「吟醸」の名がつく吟醸造りは「吟味して醸造する」という意味のとおり、特有の香りにこだわった醸造がされている。精米歩合が50%以下の純米大吟醸酒、大吟醸酒は、より香りにこだわった製法といえる。これら8種の日本酒は「特定名称酒」と呼ばれ、このほかの清酒は「普通酒」と呼ばれる。

日本酒の4タイプ:分類による料理との相性とは?

 日本酒そのものの味わいを楽しむのもいいが、食事との相性を楽しめるようになると日本酒の魅力がさらに増すことだろう。日本酒の特徴を大きく4タイプに分類し、それぞれに相性のいい食事をご紹介しよう。

・熟成タイプの日本酒
 濃厚な味わいとスパイスのような強く複雑な独特の香りが特徴で、古酒や長期熟成の日本酒がこのタイプにあてはまる。相性のいい料理は、酒に負けない濃い味のもの。ラム肉や鴨など風味の強い食材と組み合わせるのもいいだろう。

・コクがあるタイプの日本酒
 伝統的な日本酒というと思い浮かべられる、どっしりとしたふくよかな味わいを持ち、主に純米酒がこのタイプになる。脂の多い食材や旨みの強い料理との相性が良い。熱燗にすると旨さがさらに引き立つ。

・香りが高いタイプの日本酒
 果実のような爽やかな香りとすっきりとした味わいで、吟醸酒、大吟醸酒が代表的なものである。冷やでも美味しくいただけるが、冷やし過ぎると香りが薄くなることがあるため常温程度で飲むのをおすすめしたい。魚介類など素材を活かした料理との相性は抜群だ。

・なめらかで軽快なタイプの日本酒
 穏やかな香りと軽やかな味わいが特徴で、本醸造酒や普通酒などに多いタイプである。冷やすことできりりとした清涼感ある飲み口を楽しめる。野菜料理やあっさりとした魚介によく合う。

おすすめ銘柄とともに味わいたい料理

 上記で紹介した4タイプ分類からおすすめの銘柄を、一緒に味わってほしい料理とともに紹介しよう。

●熟成タイプ 〜 『睡龍(すいりゅう) 生もと純米酒』
 『睡龍』生もと純米酒は、ビンに詰める前に通常2年熟成させるため旨味が濃く、日本酒通好みのお酒である。燗にして飲むのがおすすめだ。旨味とキレがあるこの日本酒には、脂ののったブリの照り焼き、ジューシーな豚の角煮など濃い味の料理がいいだろう。

●コクがあるタイプ 〜 『玉川』
 日本酒界唯一の英国人杜氏、フィリップ・ハーパー氏が作っている、京都のお酒だ。特別純米酒は華やかでキリッとした辛口である。コウノトリラベルは旨味が濃厚で全体が引き締まった分厚い味わいだ。しっかりとしたコクがあるため、ラム肉やしっかりした味つけの料理との相性は抜群だ。

●香りが高いタイプ 〜 『マル飛』
 秋田県産美山錦を使用した、フルーティな香りが広がるお酒である。『マル飛77』は本物の果実酒のような味わいで食前酒向けであり、オリーブ、生ハムなどの前菜に合う。『マル飛15』は食事と共に飲めるバランスのとれた味。白身の刺身などに合うお酒だ。

●なめらかで軽快なタイプ 〜 『白隠正宗』
 富士山の雪解け水が大自然でろ過された湧き水を使用したお酒で、甘みとまろやかさがあると同時にキレがあり飲みやすい。静岡県沼津のお酒だけあって、魚介類との相性が抜群だ。

日本酒の楽しみ方

 日本酒の魅力を楽しむには、様々な呑み方を知ることだろう。常温で楽しむ『ひや』はそのままの味、冷やしていただく『冷酒』はさらっとした味わい、『燗』は30〜60℃と幅広い温度で、そのお酒に合った味わいを楽しむことができる。日本が世界に誇る伝統的なお酒で、自分に合った呑み方を探してみるのもいいだろう。

百年の計

イベントスケジュール