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不動産王ドナルド・トランプってどんな人? トランプタワーから過激発言まで


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破天荒な大統領候補

 移民やイスラム教徒、果ては日本や中国に対してまで排外主義的な暴言・放言を乱発しながらも、米共和党の大統領候補として、確実に支持者を増やす不動産王のドナルド・トランプ氏(69)。

 失敗も多いが、ビジネスで確固たる地位を築き、総資産は2015年現在で40億ドル(約4600億円)、エンパイア・ステートビルをはじめ全米にホテルやカジノ、ゴルフ場などを持つ。その成功は各種メディアで伝説的に語られている。

 共和党の大統領候補選びでは、前回の2012年選挙にも出馬を検討したが、早々に断念している。そのため、今回も「ただの泡沫候補」と見られていたが、その予想を裏切り、2016年2月9日のニューハンプシャー州共和党予備選で圧勝した。この勢いが続くと見る専門家は少ないものの、「怒れる低所得者層の白人の声を代弁する大富豪」という、興味深い地位を確立するに至った。

 ニューハンプシャーでは、「中国や日本、メキシコを貿易で打ち負かす。これらの国は日々、我々から多額の金を奪っている」とぶち上げ、大喝采を浴びた。2016年2月14日のCBSニュース世論調査では、共和党内で2位のテッド・クルーズ上院議員に堂々22ポイントの差をつけ、42%という高支持率を維持している。

破産の淵からブランドを売る成功者へ

 ニューヨーク出身で名門ペンシルベニア大学ウォートン・スクール卒のトランプ氏は、その富と地位を一代で築いたわけではない。その基礎は不動産開発業者の父親から受け継いだものだが、1990年代の一時期には破産寸前まで追い詰められたこともあり、バツ2の波乱万丈の人生の中で体得した経営術と成功の哲学を持つ男でもある。

 現在経営している不動産には、「トランプ・ホテル・コレクション」のブランドで展開するニューヨークの旗艦物件「トランプ・インターナショナル・ホテル・アンド・タワー・ニューヨーク」、ラスベガスで1282室を誇る大規模物件「トランプ・インターナショナル・ホテル・ラスベガス」、そして日本人にもなじみの深いハワイのワイキキの優良物件「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチ・ウォーク」などがあり、戦略的なロケーション選定と価格設定でブランド価値を高めている。次なるターゲットとして首都ワシントンや、カナダのバンクーバーにも進出を予定している。

成功の秘訣はメディア戦略

 経営者や大統領候補としてのトランプ氏を見ると、「ビッグに考え、あきらめず、敵を作ることを恐れない」という哲学を持つことがわかる。コンプライアンスや常識を重視する現在の米国の企業経営環境や政治において、トランプ氏は自由な発想で「挑戦者」「新しい風」「既存の悪習を打ち破る人」との肯定的なブランドイメージを作り上げることに成功している。

 不動産にとどまらず、外食や衣料品、果てはアイスクリーム販売や大学経営にまで手を出し、それらに成功の証である「トランプ」の名を冠し、総合的なブランド強化を狙う姿勢は一貫しており、自身をブランド化している。中には大失敗した「トランプ・ウォッカ」、「トランプ・シャトル(航空会社)」、「トランプ・ステーキ」などの事業もあるのだが、根幹の不動産ビジネスが堅調であるため、果敢な挑戦と大胆な失敗が、かえってイメージを向上させている面もある。

 これらすべての事業に共通するのが、「よい取引とは、自分が勝つ取引であり、相手が勝つ取引ではない」という、敵を作ることも厭わない二元論的な考え方と、徹底的なメディアへの露出と利用だ。ともかく、センセーショナルに売るということが成功の秘訣といえるのではないか。

 失敗を自虐ネタに使うのは序の口で、全米リアリティ番組の主人公になり、ついには大統領候補にさえなる。顰蹙も買うが、自身のよいところも世間に認めさせる。自身がブランドになって人々の成功願望や不満をうまく吸収し、ビジネスマンとして活躍するトランプ氏の今後に注目したい。

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