日本のウォーレン・バフェット、竹田和平。不動産にも通ずる投資哲学に迫る

Buffett
(写真=PIXTA)

 竹田和平氏は「日本一の個人投資家」、またの名を「日本のウォーレン・バフェット」と称され、時価300億円の株式資産を築いている。

 雑誌のインタビューで竹田氏は「株式投資ほど、簡単に利益を得られるものは他にないと思っています。なぜ世の中の人は預金ばかりで株をやらないのか、不思議なくらいですよ。私は会社を経営していますが、下手に事業をやるよりも株のほうが儲かるんじゃないかな」と答えている。

 そんな日本一の個人投資家、独自の投資哲学を紐解いてみよう。

竹田和平は常に新しいことにチャレンジ

 竹田和平氏は1933年、愛知県生まれ。「タマゴボーロ」という昔ながらの菓子をつくる貧しい菓子職人の家に8人兄弟の長男として生まれた。19歳のときに、タマゴボーロを株式会社化し竹田製菓を設立。機械化を推し進めることで、手作業で生産効率の悪かったボーロの大量生産に成功した。23歳のときには「タケダのボーロ」を全国で60%のシェアにまで押し上げている。そのタケダのボーロで得た資金をもとに23歳から株式投資をスタートした。

 83歳になる現在も、竹田製菓の代表取締役を務める実業家であるとともに、日本を代表する投資家として活動している。自身で「花咲爺・竹田和平」というウェブサイトを立ち上げており、自社の通販サイトにリンクさせ、自作の詩などで「一日一言ブログ」を綴っている。 

 竹田製菓の近代化、ウォーレン・バフェットばりに配当を重視した長期投資哲学、ブログの主宰などから見えてくる竹田和平氏の人物像は、常に合理的なことを考え、常に新しいことにチャレンジし、それを実践して花を咲かせる一貫したスタイルである。「花咲爺さん」の投資哲学にさらに刮目してみよう。

株主資本比率が高く、配当性向が高い銘柄を割安なときに買うだけ

 竹田和平氏は、好配当の割安株を徹底的に買い集めて長期投資することを基本哲学にしている。まさに「投資の神様」といわれ、現在までに660億ドルを超える資産を築いているウォーレン・バフェット氏と共通点の多いスタイルだ。

 竹田氏の著書に『花のタネは真夏に播くな 〜日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学〜』という投資本がある。その投資哲学は、株主資本比率が高くて、配当性向も高い銘柄が下げて、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が過去に比べて割安なときに株を集めるという極めてシンプルなスタイルだ。その結果、流動性の低い中小型株が多くなり、大株主として名を連ねる銘柄が続出した。

 しかも竹田氏がユニークだと謳われる点は、情報ソースは四季報一本やりだということだ。伝統のある四季報スタッフが集めた情報を信頼することだけで十分で、情報が多すぎると迷うだけでいいことはないと言っている。

 また、「物言う株主」 にならず、企業を「励ますだけの株主」になることを心がけており、株主総会へは出席したこともなければ、大株主となっている会社の経営者と話をしたこともないという話もある。

 そんな竹田和平氏も、投資のスタイルを何度か大きく変えている。つまり、「実業家としての竹田和平」も、「投資家としての竹田和平」も常に時代に合わせて進歩しているということだ。今の投資スタイルになったのはせいぜいこの20年である。個人の筆頭株主として大株主になっていた山一證券が1997年に倒産し、その株券が紙くずになってしまったことで、大企業を買うよりも多くの中小企業に分散投資するスタイルにシフトした。その結果、2007〜2008年にかなりの銘柄で、大株主として名を連ねた。

 だが、多くの銘柄に投資するスタイルも、2011年の税制改正により変化が生じた。当時の民主党政権が金融・証券税制の改正を行い、配当所得の特例課税対象にならない大口株主の要件として、株式総数に占める保有割合を5%以上から3%以上に引き下げたからだ。

 竹田和平氏が保有する多くの銘柄が課税対象となってしまい、否応なしに投資方針をせざるを得ない状況に陥った。そこで、竹田氏は株を買い集めても3%を超えないようなROE(株主資本利益率)の高い大型株に少しずつシフトしたようだ。ポートフォリオは公表していないが、たとえば配当利回りの高い総合商社株が投資対象となっていることがうかがえる。

竹田和平の投資哲学は投資の普遍の法則

 竹田和平氏の投資哲学は株だけでなく、金融商品全般に通用する投資の普遍の法則といえるだろう。

 「あわてて投資せずに割安になるときをじっくり待つこと。」と「キャピタルゲインを狙うよりも安定成長が見込める企業の継続的好配当を重視すること。」この普遍の法則は、不動産投資など他の金融商品でも通用するに違いない。
 

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