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経営NEWS-百年の計

読書の秋。一流は読んでいる、いつか読みたい名著6冊


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(写真=PIXTA)

 季節は秋。長い夜には、じっくり腰を落ち着けて読書に親しみ、往く方来し方に思いを巡らせてみてはいかがだろうか。気ぜわしい日常を離れて本の世界に浸ることで、新たな気づき、予想しない明日が見えてくるかもしれない。

先人に学ぶ

『渋沢栄一100の訓言』
渋澤健(著)/日経ビジネス人文庫

 明治時代にサッポロビール、王子製紙、日本郵船をはじめ、500社以上の起業に関わった大実業家にして日本資本主義の父と言われる渋沢栄一氏の名言集。

 「論語と算盤」など渋沢栄一氏の代表作を、著者である5代目子孫・渋澤健氏が現代人向けに100の訓言に分類し、引用、現代語訳、解説の3部構成によって、普遍的なビジネスの真髄をわかりやすく紹介している。

 選び抜かれた100の言葉は、時代を超えて多くの人の心に響く。そして、本書を読んでその真髄を知りたいと思ったら、ぜひ原著にも触れてみたい。

『コトづくりのちから』
常盤文克(著)/日経BP社

 著者はかつて花王の代表取締役社長を務めた常盤文克氏。いいモノづくりのためにマネジメントが打つべきさまざまな施策を「コトづくり」と定義し、その重要性を説いている。

 モノづくりとは技術や設備ではなく、「人をやる気にさせるマネジメント=コトづくり」と定義。いかにして生産の現場を豊かにするか、モノだけにとどまらない付加価値をどう高め、どう消費者に伝え届けていくかについて、「コトづくり」の成功事例をピックアップしながら、独自の経営論を展開する。単なるハウツー本とは一線を画す、明晰な経営哲学書だ。

頭力を究める

『未来をつくる起業家 〜日本発スタートアップの失敗と成功 20ストーリー〜 』
ケイシー ウォール(Casey Wahl)(著)/クロスメディア・パブリッシング

 ベンチャー企業の活躍が待望される日本だが、なかなか実際にはうまくいかないようだ。本書は日本だけでなく、アジアやシリコンバレーで起業した日本人IT起業家20人の苦労と失敗、いかにして成功に至ったのかについて、生々しい現実を紹介している。仲間づくりから資金調達、そしてクロージングまで、本書のリアルな逸話の数々は、IT業界に限らず多くの気づきに満ちている。

 著者は、15年前から日本を拠点に既存のリクルーティング業界を壊すことを目的に活動している起業家。独自の視点で語られる起業戦略や戦術、成功へのポイント、具体的な提言は、ベンチャーに限らず経営哲学の面からも大いに参考になるだろう。

『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
スティーブン・R・コヴィー  (著) フランクリン・コヴィー・ジャパン(訳)/キングベアー出版

 全世界3,000万部、国内180万部を超えたビジネス書のベストセラー『7つの習慣』を、著者没後1年を機に訳し直された新たな定番。

 ドラッガーと双璧をなし、英国『エコノミスト』誌から「今、世界で最も大きな影響力を持つ経営コンサルタント」と評されたコヴィー博士が新たに訴えるのは、副題にもある「人格主義」だ。「7つの原則」について語る各々の章も「主体的である」、「終わりを思い描くことから始める」、「Win-Winを考える」、「最優先事項を優先する」、「まず理解に徹し、そして理解される」、「シナジーを創り出す」、「刃を研ぐ」へと、ほぼすべてが、より的確な日本語に変更されている。

 そして本書の要といえるのが、スキルやテクニックの根底には誠実、成熟、心の豊かさを兼ね備えた人格がなければ人生に意味はないとする提言だ。既読の方も本書を改めて読み直すことで、「時代を超えた不変の人生哲学」を実感できるだろう。訳がこなれてよりわかりやすくなっているので、企業家だけでなくビジネスマンから若者まで、豊かな人生を求めるすべての人に届けたい好著だ。

次の時代を読む

『グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ』
スティーブン・レヴィ (著)、仲達志(訳)、池村千秋 (訳)/CCCメディアハウス

 IT業界の巨人Googleは、いかにして今日の成功に至り、その巨大な影響力により今なにを成そうとしているのか。『マッキントッシュ物語』でAppleの全貌を暴いた気鋭のジャーナリストが、今また緻密かつ丹念な取材により、Googleの全貌を克明に描き出していく。

 検索エンジン、アンドロイド携帯、Google Maps、クラウドコンピューティング戦略など、これまで誰もできなかったプロジェクトを、なぜGoogleは達成できたのか。一方で中国市場からの撤退やMicrosoftとの対立など負の側面にも言及しつつ、これまで誰も描かなかったGoogleの実像に迫る。

 そこには、ありふれた経営戦略、マーケティング戦略では決して解き明かせないGoogle独自の戦略と、それらを実現した人々がいる。いまなおIT業界の最先端を走るGoogleが、これから目指すのは何か。その未踏の道筋には、これからの企業が取り組むべきテーマも見えてくる。

『限界費用ゼロ社会  <モノのインターネット>と共有型経済の台頭』
 ジェレミー・リフキン(著) 柴田裕之(訳)/NHK出版

 いま、資本主義が新たな段階に突入しつつある。その鍵となるのが、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)だ。

 IoTが新しい時代のインフラとなることで、モノやサービスを生み出すコスト(限界費用)は限りなくゼロとなる。多くのモノやサービスが無料となり、既存の企業は収益源を失い、これまでの資本主義は衰退する。代わりに登場するのが、シェアリング・エコノミー(共有型経済)。つまり中央集中型組織の時代から、分散・協働型の生産・共有による新しい経済システムへの大規模なパラダイムシフトだ。

 本書では、中世から現代までの産業構造の変化を分析しながら、共有型経済に移行しつつある現代を、豊富な事例を交えて解説していく。「第三次産業革命」で話題を呼んだ世界的な文明評論家の著者による、衝撃的な未来予測の書だ。

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