ここに気をつけたい! タワーマンション課税見直しのポイント3つ

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(写真=PIXTA)

タワーマンションに関する課税の見直しが、関心の的となっている。これまで高層マンションの税法上の評価の仕方を利用した節税策が富裕層を中心に行われてきたが、その手法による課税の不公平を懸念した政府が、固定資産税額の按分方法を2017年度税制改正で変更するのではないかとみられている。

現行のタワーマンション課税はどのようになっているのだろうか。そして、それがどのように変更されるのだろうか。

タワーマンション課税とは何か? 節税法についても解説

タワーマンション課税とは、階層によって価格差の広がりやすい超高層のタワーマンションの場合、高層階であっても低層階であっても、固定資産税や相続税の課税上、面積が同じなら評価額が同じになるというものだ。これだけ聞くと「節税とどうつながるの?」と感じる方もいるだろう。

マンションの購入価額は、眺望や景観、日当たりなどによって価格が大きく異なる。特に、高層と低層では販売価格の差が出やすい。

「販売価格に差はあるが、固定資産税評価額は同一」という点は、富裕層にとっては固定資産税と相続税の節税にうってつけだ。仮に、高層階の部屋の売価が1億円で低層階の部屋の売価が4,000万円だったとする。売価は6,000万円もの違いがあるが、固定資産税評価額は一律1,600万円である。さらに、これに土地の評価額が2,000万円だとしたら、高層階でも低層階でも、その資産の評価額は一律3,600万円となる。

固定資産税はこれに1.4%の税率を乗じるため、およそ50万円だ。相続税課税においても、マンションの評価額は固定資産税評価額がベースとなる。55%の相続税や資産維持に悩む富裕層にとっては、7割近い評価減のための1億円の支出は、必要な節税投資になるのである。

タワーマンション課税の見直しはどうなるのか? ポイント3つ

高層マンションの価格差を利用した富裕層の節税は、一般庶民にとっては課税の不公平となる。1億円の部屋が買える世帯にとっての50万円と、4,000万円の部屋が限界の世帯にとっての50万円は重みが明らかに違うのだ。

この課税の不公平を解消すべく、タワーマンション課税の見直しが今秋、検討されたのである。具体的なポイントは次の通りだ。

1. 2018年以降新築された建物が対象

当初、既存の建物についても本改正を適用する案が検討されたが、現在の税負担を前提に高層階を購入した住民からの強い批判を懸念し、このようになった。

2. 20階建以上(高さおよそ60メートル以上)の建物が対象

マンションの各戸の所有者が負担する固定資産税は次の流れで算出される。

① 一棟の固定資産税評価額を算定
② 一棟の固定資産税額を計算
③ 一棟の固定資産税額を各所有者の専有面積に応じて按分してから課税

今回の見直しでは③の段階で、中層階を基準とし、高層階が増税、低層階が減税になるよう税額按分が補正される模様だ。20階建以上の建物とは、超高層であるタワーマンションを指す。階層によって価格差が生じやすい、タワーマンションに係る税の不公平が補正されることになるのである。ただ、国民感情を考えると、増税割合に過剰な格差が出るとは考えにくく、年間数万円程度の違いに収まるものと思われる。

3. 相続税のタワーマンション節税封じにはならない

今回の改正で対象になるのはあくまで固定資産税額の按分方法であり、一棟あたりの固定資産税評価額そのものではない。そのため、相続税の節税封じにはならない。

なお、相続税法上の建物(マンション)の評価方法は次のようになっている。

【区分所有の建物(マンション)】
建物の固定資産税評価額(1棟の建物全体の評価額を専有面積の割合で按分し、各戸の評価額を算定)

タワーマンションの課税見直しによる影響

今回の改正による影響はあまり大きくないとは考えられるものの、政府の狙いはあくまでも相続税を含めたタワーマンションに係る資産課税方法の是正だ。そのため、相続税における財産評価についても引き続き検討が行われている。また、実際に相続税の圧縮狙いとみられるタワーマンション購入については、否認された判例がある(国税不服審判所平成23年7月1日裁決)。

安易な節税方法は、徐々に狭められているといっていいだろう。

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