共同経営するときに注意したいポイント3つ

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(写真=GaudiLab/Shutterstock.com)

共同経営には資金、知恵、技術などを集めやすいメリットがあるものの、単独のオーナー経営者が率いる組織と比べ、意見対立などの問題が起きやすい面もある。共同経営を軌道に乗せるためには、そのリスクを認識したうえでスタート段階から的確に対応することが重要である。

共同経営リスク1:経営方針の食い違い

共同経営の最も基本的なリスクは、経営方針の食い違いだ。何となく意気投合したという理由でビジネスを始めるといずれ考え方の違いが浮き彫りになる。

仮に飲食店を開業する場合「世界一おいしい料理を提供したい」という理念と「世界一のチェーン店を展開したい」という目標は相いれない。多店舗展開を前提とすれば、地域によって味の好みが異なることを考慮すると味の面で妥協せざるを得ないかもしれない。よって、味を追求するためには別の道に進むか、チェーン店の中では世界一おいしい料理を提供するという目標を掲げるしかない。

また共同経営者間の事業欲、金銭欲、名誉欲のバランスが大きく異なると経営方針の食い違いが生まれやすい。

例えば、事業欲と名誉欲が突出している職人肌の人は至高の料理店を目指す一方、金銭欲と名誉欲が極端に強い事業家タイプの経営者は、大規模チェーンのフランチャイズ事業を志向するという相違が生じる。

共同経営リスク2:役割認識の食い違い

通常、完全に対等な立場の共同経営者は存在しない。会社法上、複数名の代表取締役を選任することは可能だが、代表取締役間の役割分担を明確にしなければ会社運営に支障が生じてしまう。

このため一般的には会長、社長、副社長、専務などの肩書をつけ序列を明らかにするとともに、営業、製造、管理など所管業務を分担することになる。

こうした序列や役割分担に対する合意形成がきちんと行われていないと、「共同経営者の自分の意見を聞かずに勝手に契約された。」などの不満や、認識相違が生じやすくなる。

共同経営リスク3:金銭トラブル

共同経営を始める際には、経営方針、役割分担と合わせ金銭に関する申し合わせをきちんと行うことも重要である。

完全に対等な立場の共同経営者が機能し得ないことを踏まえれば、経営者間の出資比率に差をつけることが望ましい。出資比率の高い者が上位の役職に就き、業務執行に関する、より大きな権限を持つことがポイントだ。

追加出資、経営者貸付、債務保証が必要になった場合も当初の出資比率に応じて行うことを取り決めておけば大きなトラブルに発展することを防げる。
    
実印、銀行印、契約書、不動産の登記識別情報通知、預金通帳、ネットバンキングID、現金などの重要物を特定の人物が管理せず、バラバラに保管することも不正契約や現金着服を防止する上で不可欠だ。事業規模が大きくなれば預金口座の分散も要する。

このほか、共同経営者以外の大口出資者を募り、当該出資者が経営者を監視する体制を構築することなども、トラブルを防止するためには必要である。

共同経営リスクへの対応

共同経営の失敗を防ぐ上で最も大切なことは、事業の開始に当たり、重要事項を書面で取り決めることである。

経営理念、経営方針、代表権の有無、肩書、所管業務の範囲、資金拠出、重要物管理など経営の基本事項について具体的に取極めた書面を作成し、相互に署名・捺印した文書を保管することが望まれる。

このような手続きを嫌がる人もいるだろうが、そのような人物は、本来的に共同経営に向いていないと判断し、パートナーシップの構築を断念すべきだろう。

基本事項について明確に合意しても事業を進めていく中で対立することもあり得る。そうしたときに備え、公正中立な立場で相談できる共通の知人に顧問(後見人)を依頼する手もある。

また対立が決定的となり、袂を分かつこととなった場合を想定して、出資金の処理(株式譲渡)や競業避止(ライバル会社の立上げ防止)などをあらかじめ定めることも考えられる。

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