特定健診・保険指導の運用見直しから学ぶ健康維持の重要性

Health Check

(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

「特定健診」をご存じだろうか。「定期健診」と異なり、メタボリックシンドロームに着目し生活習慣病を予防していくために、現在の状況の確認や生活習慣の改善方法を指導、そして経過をみていく仕組みである。そして、2018年からこの「特定健診」運用の見直しが実施されることになり、より健康維持に対する考え方が求められることになる。

そもそも「特定健診」とはどんなものなのか。どのようなポイントが変更になるのかなどを紹介していく。

特定健診・保険指導とは?

改めて「特定健診」について簡単に説明しよう。特定検診はメタボリックシンドロームに着目し、対象年齢40〜75歳未満までの医療保険者全ての人を対象として「病気を事前に予防する」というポイントを中心に受ける検査のことである。

2005年厚生労働省のデータをみると、同年時に脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病に対する医療費は約10兆円にものぼり、全体の約3割を占めている。そして死亡割合も全体の6割にものぼる結果となった。また、メタボリックシンドロームの対象者は40歳以上で男性2人に1人、女性5人に1人の割合となっている。

2010年に各都道府県の平均約14%という結果から、厚生労働省は日本の高齢化と生活習慣が変わったことによるメタボリックシンドロームの増加を背景に「特定健診・保険指導」を開始した。そして、自身の状況を把握し、バランスの取れた食事や適度な運動を推奨することにより生活習慣病を予防する動きとなったのである。

特定健康診査の項目と特定保健指導の対象者とは

「特定健診」となっても、検査内容としては「定期健診」と大きく変わることはなく、計測、血圧、採血、尿検査などを行う。しかし、メタボリックシンドロームに着目しているということもあり、3つのステップに分けてチェック項目を設けている。

● ステップ1
腹囲の採寸をチェックする。男性であれば85センチメートル以上、女性であれば90センチメートル以上が対象となる。しかし、数値以下であってもBMI25以上で対象となる。

● ステップ2
「糖」「脂質」「血圧」「質問表」にて条件が設けてあり、質問表は喫煙しているかどうかがチェック項目となる。ただ、他のチェック項目が全てクリアしていれば喫煙者であっても通過となる。

● ステップ3
先ほどの「ステップ1.2」の結果を元にグループ分けされ、リスクが高い人は「保険指導」対象となり、程度によって「動機づけ指導レベル」と「積極的支援レベル」に分けられることになる。ただし、服薬中の場合や65歳以上75歳未満の「積極的支援レベル」の人などは、この限りでないなどの取り決めがある。

特定健診・保健指導の運用見直しについての概要

2008年の特定健診の受診者数が2,000万人だったのに対して、2014年では2,600万人と毎年100万人ずつの増加が起きている。この「特定健診・保険指導」の直接的な結果かどうかは不明であるが、40〜75歳までの人達がより健康志向に向かっていることは間違いないであろう。

しかし、現在の受診者の数は全保険者の中で50%程度であり厚生労働省で目標としていた70%という数値には及んでいない。そのため、数値向上と今までの実施してきた結果を元に、より詳細な運用内容に変更する方向となり、2018年に「特定健診・保険指導」の運用見直しを行うようだ。

腹囲の数値は現行通りのままとしつつも、健診結果の内容については「血中脂質検査」「血糖検査」「血清クレアチニン検査」などの6つの検査項目に見直しが入る。また、特定健診は定期的に自身の状況を把握することが大事とされ、すでに治療中であったとしても継続して受診するよう医師との連携を図ることになる。

生活習慣の改善は健康維持のために重要

2005年の段階ですでに生活習慣病での死亡数割合が6割以上に達するなど、生活習慣病に対する認識が変わってきたことにより、年々「特定健診」を受ける人や改善に取り組む人が増えてきた。

厚生労働省の発表にもあるが、生活習慣病は生活改善をするだけで予防できるとされ、死亡リスクを低くすることができる。今後、人口減少が叫ばれている日本では、医療費負担にメスが入る可能性も少なくない。医療費を抑えたいのは国だけではなく国民一人ひとりにもいえる。

今回の保険指導見直しだけではなく、今後は病気になる前に予防をする動きが強くなる可能性もあるため、健康維持の重要性はこれからもっと必要とされてくるだろう。

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