後継者問題解消、3つのパターン

(写真=buriburi/Shutterstock.com)

少子化や国内マーケットの縮小を受け、後継者問題に悩む中小企業が増えている。後継者が見つからずとも、親やそれ以前の代から続けている家業を自分がたたむのはしのびない。また、残された従業員や取引先のことを思うと、なかなか踏み切れないという経営者も多いだろう。今回は、後継者問題を解消する3パターンを見ていく。

後継者が決まるまで3年以上かけた企業は約4割

経済産業省の「2017年版 中小企業白書・小規模企業白書」によると、後継者探しを始めてから了承を得るまでの期間に3年以上かかったという企業が37%。中には、10年以上かかったという企業も3.9%存在する。後継者探しは、思い立ったらすぐにできるというものではなく、時間をかけて着々と進めて行くべきものなのだ。

早めの事業承継には、日ごろ経営上のアドバイスを受けている専門家が心強い味方となる。先の調査でも、「事業承継を勧められた相手」として、顧問の税理士や公認会計士、取引先の金融機関、経営コンサルタントの名前が挙がっている。事業承継について不安を感じたら、こうした専門家の意見を仰ごう。

事業承継の3パターン

事業承継には主に、以下の3パターンがある。それぞれについて見ていこう。

その1:実子や親族に継がせるケース
中小企業の事業継承でもっとも多いのがこのケースだ。息子や娘に継がせるパターンや、娘に婿をとって継がせるパターン、その他の親族に継がせるパターンなどがある。

ただ、最近は実子や親族がいても「本人に他のやりたいことがある」「事業が縮小しており、後を継がせるのはしのびない」といった理由で、後継者問題に直面している経営者もいる。安易な親族内での承継は、他の従業員や取引先にとってもマイナスとなることもある。よく検討してから後継者を決めるべきだろう。

その2:優秀な社員や役員に継がせるケース
優秀な社員や役員に継がせるパターンもある。ただし、熱意ある人材が得られたとしても「後継者候補となる社員や役員に、自社株を買い取るだけの資金力はあるか」「会社経営に関する個人保証を引き継ぐつもりがあるか」「個人保証の変更を取引先の金融機関が認めるか」といった資金面での課題が残る。

業績が厳しい会社ほど借り入れも多く、それらを一手に引き受けようという社員が現れる可能性は低いのが現実だ。もし、金融機関が個人保証の変更を認めなかった場合、「経営は任せているが個人保証は外れない」という状態になり、前経営者としては何のメリットもなくなってしまう。

その3:M&Aで第三者に引き継ぐ
昨今、後継者問題に直面する中小企業の中で増えている承継パターンがM&Aだ。バブル後の「ハゲタカ」イメージから、M&Aに良い感情を抱いていない方もいるかもしれないが、事業承継手段としての認知度は確実に上がっている。

M&Aの良い点は、これまで作り上げてきた事業や会社を第三者に譲ることで、新たな未来が開けることにある。買収を検討している企業は、多くの場合業績のよい企業なので、従業員や取引先も新天地で心機一転できるだろう。

また、経営者が個人で背負ってきた個人保証も譲渡先企業に譲ることができるため、ようやく肩の荷が下りる。経営者も第二の人生が楽しめるのだ。

M&Aは会社を買いたい相手からの希望がないことには話が始まらないため、自社にある程度の魅力が必要だが、総合的に見ると悪い選択肢ではないだろう。「自身の代で事業をたたむのは先代に顔向けできない」と頑張ってきた方でも、納得できる場合が多いだろう。

後継者問題は早めに相談を

先の3つのパターンを検討して、計画的に取り組めば早期の解決を目指すことができるだろう。しかし、経営者は孤独であり、後継者問題などの悩みを抱えていてもなかなか打ち明けられないということも多い。

経営者がひとりで難題を抱え込んでいても、なかなか打破できることは少ないため、早めに専門家などに相談するのがいいだろう。

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