タワーマンション投資の落とし穴にご注意!

タワーマンション
(写真=PIXTA)

タワーマンションの節税効果

 今年の1月から税制が改正され、相続税の課税が強化されたことはマスコミでも広く報道されてきた。その節税対策として脚光を浴び、大いに人気を博してきたのがタワーマンション投資だ。

 タワーマンションは外観からも眺望の良さをイメージできるだけでなく、駅から近かったり再開発地区であったりするロケーションのよさも大きな魅力。だが、投資目的で購入する人の関心ははもっぱら節税効果だ。資産をタワーマンションに投じて区画所有しておくと、相続税を低く抑えることができるのだ。

 不動産にかかる相続税を計算する際、土地の部分は「路線価」を基準とする一方、建物部分は「固定資産税評価額」を参考とする。そして、「路線価」は不動産市場における実勢価格(時価)の80%程度。これに対し、建築コストを勘案することから、「固定資産税評価額」のほうは時価の40〜60%にとどまるのが実情だ。

 こうしたことから、そもそも不動産は現金・預金、債券や株式などの有価証券として資産を保有しているケースよりも相続税負担が軽くなる。しかも、戸数の多いタワーマンションは1戸当たりの土地部分の面積が小さくなることから、一般的な分譲マンションや土地付き一戸建てと比べても相続税が抑えられるわけだ。さらに、原則として建物部分の評価は床面積で行われるため、最高層階の部屋であっても低層階の同サイズの部屋と同額となる。タワーマンションの販売価格は階が上がるにつれて高くなっていくので、より高層の物件ほど節税効果が大きくなる。

タワーマンションへの税制が変更される可能性

 このようなメリットのため、富裕層を中心にタワーマンションが売れに売れ、即座に完売するパターンが続出した。ところが、それが災いしたのか、国税当局から「待った」がかかる可能性が出てきている。現状ではまだ観測レベルにすぎないものの、タワーマンションの評価方法を見直すことが議論されているというのだ。一説では、相続の発生直前(所定の年数以前)に購入したタワーマンションについては、節税目的の色彩が濃いことから、実費(取得価格)が相続税評価額となるかもしれないとう。

 現時点ではまだ通達や法改正には踏み切っていないが、明らかに相続税対策と判断できる事例に対し、すでに国税当局は断固たる措置を取っている。

 たとえば、入院中の親名義で物件を取得し、その約1カ後に親が他界して相続し、それを1年未満で売却したという人がいた。このケースに対して国税当局は通常の評価を行わず、売却価格によって相続税評価を行ったのである。

 裁判で争ったものの、判断が覆ることはなかった。節税目的が露骨であれば、同じような運命を辿ると考えるべきであろう。

タワーマンションの購入を前に

 加えて、そもそも住まいとしてのタワーマンション人気にも少なからず変化がうかがえる。入居者たちの実感を通じて、特有のデメリットが取り沙汰されるようになってきたのだ。

 高層階は窓が開けられない物件もあるし、開閉可能であってもあまりの強風で洗濯物を干すのが困難なケースも少なくない。また、周囲に遮断するものがないだけに、騒音がダイレクトに届きやすいのも意外な難点だ。

 ほかにも、日当たりがよすぎて家具が日焼けしたりエアコンが効きにくかったり、修繕積立金が高額であるなど、様々なデメリットが言われ始めている。こうした人気の陰りに節税効果大幅ダウンが上乗せされれば、タワーマンションの取引価格にも少なからず影響が出てきそうである。

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