経済・経営のニュースを取り上げる、百計ONLINE。

経営NEWS-百年の計

事業用の土地相続の有効な節税ができる「小規模宅地等の特例」とは?


土地相続
(写真=PIXTA)

 20151月から強化されたと言われる相続税だが、良く見ると実は緩和された部分もある。アメとムチの関係であるが、ムチの部分は基礎控除の額が引き下げられたことにより、相続税の納税対象者が増えたことだ。

 一方、あまり知られていないアメの部分であるが、代表的なのが「小規模宅地等の特例」の減額規定が拡大されたことである。この「小規模宅地等の特例」は評価額の減額幅が非常に大きいため知らないと損すると言われている。そこで、今回は小規模宅地等の特例とは一体どういうものなのか、詳しく見ていくことにする。

「小規模宅地等の特例」とは

 まず、20151月以降の「小規模宅地等の特例」とは、居住用の敷地であれば330㎡まで8割減の評価が可能となる制度だ。事業用の敷地であれば400㎡まで8割減の評価ができる。様々な相続対策があるが、8割も評価額を下げることができる方法というのは存在しない。正式に制度として認められた8割評価減というのは非常にインパクトが大きいのだ。

 そしてこの特例は、昨年までは居住用の敷地の適用面積が240㎡まで、そして居住用の敷地と事業用の敷地を重複して適用することは出来なかったが、今年からは併用して適用することが可能となった。

「特定事業用宅地等」とは

 ここでいう事業用の敷地とは、「特定事業用宅地等」と言われ、不動産貸付業以外の事業で使われている宅地とされ、個人事業主として飲食店などを経営している人が保有している店舗の土地建物が対象となる。

 昨年までは、個人事業で不動産を保有していた人は、「小規模宅地等の特例」の適用を自宅か店舗かどちらかに絞らざるを得なかったが、今年からは自宅と店舗も両方適用できるようになった。団塊の世代の社長がリタイア期を迎える中で、事業承継問題が増えているが、20151月からの法改正により1つだけ事業承継の課題が解消されたと言える。

有効的な使い方

 減額幅の大きい「小規模宅地等の特例」も使い方を間違えてしまうとせっかくのメリットを享受できない。そのため、有効に使うために基本的なポイントを押さえておく必要がある。

 そのポイントは、①路線価単価の高い土地に適用することと、②面積を使い切るということの2点だ。

路線価単価の高い土地から検討するのがポイント

 まず1つ目の路線価単価の高い土地への適用について見てみる。適用する敷地を選べば8割減というのは平等に適用される。そのため、路線価単価が500千円/㎡のところであれば、課税評価額が100千円/㎡となり、㎡あたり400千円も減額される。

 一方で、路線価単価が100千円/㎡のところであれば、課税評価額は20千円となり、㎡辺り80千円しか減額されない。従って、事業用不動産を複数所有している場合は、路線価単価が一番大きい虎の子の資産に適用するのが有効だ。

面積は使い切るのがポイント

 2つ目のポイントは面積の使い切りだ。この制度は居住用の敷地であれば330㎡まで、事業用の敷地であれば400㎡までという面積に上限があるのが特徴だ。そのため仮に上述したように路線価単価が高い土地を選んだとしても、その面積が小さければ効果が薄れてしまう。減額効果は面積を乗じて算出すると、路線価単価の高い土地と低い土地とで逆転することもあり得るため、必ず総額で検証する必要がある。

どこに適用させるか検討しておこう

 以上のことから、「小規模宅地等の特例」はある程度土地単価が高く、ある程度面積が広い土地をピックアップし、優先的に適用の検証をしてみることが有効だ。もちろん複数の不動産を保有していない場合であっても、親族内に事業承継を行う場合には「特定事業用宅地等の特例適用」は有効な手段だ。「小規模宅地等の特例」は複雑な相続対策をせずに大きな減額が可能な制度であるため、どの土地に適用されるか検討しておくことが必要だろう。

TOP