東京の不動産は割安?主要都市と比較してみよう

Tokyo

(写真=voyata/Shutterstock.com)

東京の不動産価格は堅調に推移しているが、2020年の東京オリンピックを機に下落に転じると見る人も多い。実際に、都心部の分譲マンションのなかには一般のサラリーマンでは買えない水準に達している物件もあり、割高感が指摘されている。しかし、諸外国の主要都市と比べれば、東京の不動産価格は少し違って見えてくる。海外主要都市と日本の不動産の価格を比較してみよう。

住宅価格はロンドンと比べて半額以下

一般財団法人日本不動産研究所では、年に2回、国際的な主要都市の不動産市場動向を調査し、価格を指数化した「国際不動産価格賃料指数」を公表している。対象は東京、大阪、ソウル、北京、上海、香港、台北、シンガポール、クアラルンプール、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、ニューヨーク、ロンドンの14都市だ。

このデータを見ることで、各国・地域の不動産市場動向や最新トレンドを知ることができる。最新の第10回「国際不動産価格賃料指数」(2018年4月現在)の調査結果を見てみよう。

まず住宅価格。東京の港区麻布所在の高級マンション価格を100.0とした場合の各都市の指数は、大阪53.7、ソウル67.7、北京108.8、上海135.4、香港193.9、台北122.0、シンガポール110.0、クアラルンプール26.0、バンコク25.6、ジャカルタ20.1、ホーチミン9.7、ニューヨーク111.5、ロンドン225.6となっており、各都市間で大きな差がついた。

東京の高級住宅の価格水準は14都市中8位。ロンドンの半額以下で、アジア圏でも北京、上海、香港、台湾、シンガポールを下回っている。高騰しているといわれる東京の不動産だが、世界から見ればまだ割安ということがわかる。

では賃貸住宅の賃料水準はどうだろうか。東京の港区麻布所在の高級マンションの賃料を100.0とした場合の各都市の指数は、大阪85.1、ソウル55.7、北京70.1、上海78.2、香港162.6、台北63.8、シンガポール126.4、クアラルンプール35.1、バンコク42.8、ジャカルタ51.3、ホーチミン21.3、ニューヨーク211.5、ロンドン250.6となっている。

賃料水準で東京は14都市中4位と、上位に位置している。とはいえ、ニューヨークやロンドンと比べると半額以下、香港やシンガポールよりも大幅に安い水準だ。

オフィス価格は堅調に推移

次にオフィス価格を見てみよう。東京の丸の内・大手町地区所在の最上位オフィスの価格を100.0とした場合の各都市の指数は、大阪46.3、ソウル30.9、北京36.9、上海50.2、香港194.9、台北58.3、シンガポール41.0、クアラルンプール8.6、バンコク8.6、ジャカルタ12.8、ホーチミン12.6、ニューヨーク45.4、ロンドン68.0となっている。

オフィスの価格水準が最も高い都市は香港であり、2位が東京となった。日銀の金融緩和によるマイナス金利導入や、就業人口の拡大を背景にオフィスの需要が拡大していることが影響していると見られる。同調査の各都市のオフィス価格指数の推移を見ても、東京のオフィス価格はなだらかな右肩上がりに推移していることがうかがえる。

東京の不動産価格のこれから

今後の不動産価格を考える時に、最も大きな不安材料となるのが少子高齢化による人口減少だろう。一般的に人口が減少すれば不動産の需要は減り、価格は下落する。

国立社会保障・人口問題研究所「平成29年推計報告書」によれば、日本全体の人口は今後減少が続き、2015年には1億2,709万人だったのが、2040年には1億1,092万人、2053年には1億人を割って9,924万人になると推計される。

しかし、東京に限っていえば状況は異なる。東京都の推計によれば、都の人口はこれからもしばらく増加を続け、2025年1,398万人でピークを迎える。その後は減少するが、2035年1,375万人、2045年1,312万人と、減少度合いは全国人口と比較してなだらかである。さらに地域別に見ると、区部に関しては2030年まで人口は増え続けると予測されている。

人口減少による不動産価格の下落は避け難い問題だが、東京都区部に着目すれば比較的安定的に推移することがわかる。東京の不動産のポテンシャルは、まだまだ高いといえるのではないだろうか。

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