「お試しサテライトオフィス」でリモートワークを始めよう

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(写真=Chz_mhOng/Shutterstock.com)

ブロードバンド回線があれば場所に関係なく業務ができる時代。企業の拠点を地方に設置するサテライトオフィスが注目されている。地域のバックサポートを得ながら社員のワークライフバランスに配慮し、さらに企業としてもコスト削減やリスク分散を図ることができる。ここでは、総務省がリードする「お試しサテライトオフィス」を通して新しい働き方や地域創生の可能性を紹介する。

総務省による「お試しサテライトオフィス」とは?

「お試しサテライトオフィス」とは、地方の自治体が都市部の企業を誘致する際に必要な企業側の具体的なニーズをつかみ、誘致戦略を後押しする新たな地域活性化のプロジェクトだ。総務省は2016年、三大都市圏内に本社のある民間企業を対象にサテライトオフィスのニーズ調査を行った。そのなかから、特に関心を持つ企業へサテライトオフィス情報を提供。

いきなり拠点を開設するのはハードルが高いという企業に対し、空き公共施設などでの「お試し勤務」を通じ、サテライトオフィスを具体的に検討してもらう。そこで、総務省はより実践的な企業ニーズを調査するとともに、サテライトオフィスを取り巻く環境に必要な条件をまとめて誘致を希望する自治体に支援していく。

地方自治体にとってサテライトオフィス誘致は地域活性化の新たなツールとなる。都市から地方へと新たな人やモノの流れが生まれ、地元企業との連携やビジネスの創出によって地方は活力を取り戻すきっかけとなることが期待される。

採択自治体のユニークな取り組み

現在、全国の18の自治体で「お試しサテライトオフィス」が採択されている。採択自治体の中から地域の特性や人材確保にマッチしたユニークな取り組みをしているモデルケースをご紹介しよう。

・青森県弘前市
「コラボ弘大 レンタルラボ」は、県内唯一の国立大学「弘前大学」の敷地内にあるレンタルオフィスである。大学との研究連携や学生との交流も可能のためIT企業をはじめとしたベンチャー企業が産学連携のプロジェクトを進めるのに適している。構内の食堂や売店を利用できる点も大学ならではだ。

・島根県松江市
国宝・松江城が街のシンボルの県都で、2006年からプログラム言語「Ruby」をテーマとしたIT人材育成や企業誘致を行っている。市内のIT企業は約30社。

松江城からすぐの「殿町古民家風オフィス『松江城下』」は城下町にふさわしい古民家風オフィス。10名程度の受け入れを行っている。2階建てでフロアごとにオープンスペースや執務スペースといった使い分けも可能だ。

JR松江駅に隣接の「テルサ別館」のお試しオフィスは「松江オープンソースラボ」というITエンジニアの交流拠点の隣にある。全国からやって来るITエンジニアや学生が交流を深め、勉強会を開催しておりIT企業には好環境といえよう。

・徳島県(美馬市、三好市、つるぎ町、東みよし町)
徳島県はブロードバンド環境の整備が行き届いており、全国からIT企業のサテライトオフィスで注目される神山町に続けと、県内の市町村が採択自治体になっている。

つるぎ町にある「Trip」は貞光川のそばにあるアウトドア拠点。夏はツーリングカヤックによる川旅、冬は山歩きツアーなどを提供している。オープンスペースをオフィスとして使い、仕事をしながらアウトドアで遊びもできると、充実したワークライフバランスが期待できる。

サテライトオフィスがもたらす働き方改革と災害リスク分散

地方にサテライトオフィスを開設すれば、都市部に住まなくとも地方にいながら自然に囲まれた環境で働くことが可能だ。通勤コストを大幅に節約できるので仕事が終わってからの時間を有効に使うこともできる。仕事とプライベートを両立させるワークライフバランスの向上につながる。

また、地方に企業の拠点を置くことで新たな働き方ができるだけでなく、災害時に業務継続のためのバックアップにもつながるのだ。緊急事態を想定したBCP対策では業務や拠点の分散化を避けては通れない。もし都市圏で災害などにより業務がストップしても、サテライトオフィスがあれば重要な業務を継続できる。

「区分所有オフィス®」で“場所”を使い分けるメリット

都市部と地方。“場所”によって業務を使い分ければそれぞれの地域性を活かした業務が可能となる。営業のような本社機能で重要となる来客や訪問の多い部署は都心の「区分所有オフィス」に置き、開発や研究、サポートなどは地方のサテライトオフィスで運用する。

「区分所有オフィス」はオフィスビルをフロアごと、部屋ごとに所有できるため、企業にとって柔軟な活用が可能な不動産所有だ。都市部の業務に必要なだけ自社オフィスのスペースを確保できるため、投資リスクも少ない。場所にとらわれない働き方が重要となる現代。サテライトオフィスと「区分所有オフィス」をうまく組み合わせた拠点づくりを検討してみてはいかがだろう。

※「区分所有オフィス®」は株式会社ボルテックスの登録商標です

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