こんなにある、不動産の20○○年問題

(写真=stockphoto mania/Shutterstock.com)

ある年や日付が到来すると社会や日常生活などに深刻な影響が起きる「○○年問題」。かつて情報システムにおける2000年問題が騒がれてから、同様のキーワードをよく見かけるようになった。不動産の分野にもいくつかの「○○年問題」があるのをご存じだろうか。

生産緑地が宅地になる――2022年問題

まず直近では2022年問題(生産緑地問題)がある。生産緑地とは、都市における良好な環境を確保するため、計画的に保存された農地のこと。この生産緑地が2022年、宅地化して市場に流通し、宅地の地価が下落するのではないかといわれている。

ことの発端はバブル期にさかのぼる。バブルによる地価高騰に対する施策として政府は、1992年、農地への固定資産税の課税を強めた。これにより農家が農地を手放し、都市近郊の農地は多くが宅地になり、たくさんの人が宅地を取得できた。一方で政府は、農業を続けたいという農家に対して、30年間は農地のままにすることを条件に、固定資産税を軽減できる仕組みを提供した。

こうして都市部に残った農地が生産緑地だ。国土交通省の「平成28年都市計画現況調査」によれば、全国の生産緑地は1万3,187ヘクタールある。そして、この生産緑地の多くは1992年に指定されたもので、それらが30年の縛りから順次解放されるのが2022年なのだ。

生産緑地は30年の期限を迎えた時、自治体に買い取ってもらえる仕組みになっている。多くの農家が生産緑地の買い取りを申し出て、宅地が一気に供給されれば、地価に対して下落圧力となるはずだ。しかし実際は、そうはならないという見方もある。

理由としては、東京都産業労働局農林水産部が行ったアンケート調査において、30年での買い取りを希望する農家が約8%と限られていたことが挙げられる。また、都市部には生産緑地以外の農地(宅地化農地)も、生産緑地の面積以上に残されている。つまり、すでに都市部には使われていない土地がたくさんあるということだ。

以上のことから、生産緑地が宅地化される面積は限定的であり、もし宅地化されたとしても、全体として見れば不動産価格にはそれほど大きな影響がないだろうと考えられる。

人口だけでなく世帯数が減少――2023年問題

すでに人口減少が始まっている日本だが、核家族化や高齢者の独居率の上昇を背景に世帯数はまだ増加している。しかし、それも時間の問題だ。国立社会保障・人口問題研究所が2018年に発表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によれば、日本の世帯総数は2023年に5,419万世帯でピークを迎え、減少が開始するという。

世帯数が減少すれば、不動産市場にどのような影響が出るのだろうか。単純に考えれば、住宅需要が減ることにより価格の下落圧力になるだろう。人口減少が進む日本において、不動産価格の下落は避けては通れない道といえるだろう。

しかし、都市圏から見れば事情は少し異なる。たとえば、東京の人口は、2025年に1,398万人でピークを迎え、以後減少すると予測されている(東京都の統計より)。また、世帯数は、2030年の708万世帯まで増加し、その後は減少に転じるが、それでも2035年708万世帯、2040年699万世帯、2045年687万世帯と、減少度合いは緩やかだ。

つまり、2023年問題は確かに全国の不動産市場に影響を与えるが、都心に限っていえば影響は限定的、ということ。これから不動産を買うなら、都市部を狙うのが得策といえるだろう。

南極条約終了――2048年問題

最後に日本から離れて、世界の不動産に影響を与えるかもしれない「2048年問題」を紹介しておこう。1959年、南極の平和的利用を定めた南極条約が発効され、1998年には南極の環境と生態系を包括的に保護することを目的として「南極条約議定書」が締結された。

この条約によって、どの国も南極の領有権を主張できないことになっている。この南極条約議定書が見直しの期限を迎えるのが2048年だ。

では、実際に2048年が来たらどうなるのか。まだ具体的な動きは出ていないため、どうなるかを予測するのは難しい。もしかしたら、南極大陸の不動産を取引できるようになるかもしれない。

Facebookが北極圏の近くにデータセンターを建設した例もあり、南極大陸も同様の目的で利用価値はあるだろう。世界の不動産市場に興味ある人は、南極条約の今後の動向に注目してみるのも面白いかもしれない。

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