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2015年~16年にオープンする注目の商業施設とその収益戦略


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 中国人が日本の商業施設に大挙して押し寄せる爆買いツアーも、最近では見慣れた光景になってきた。ここ数年続いている爆買いツアーは日本の商業施設にとってはありがたい現象になっており、売上を伸ばしている商業施設も多い。全国的に見ても各地の商業施設が勢いに乗りつつある中で、さらに新しい商業施設も続々とオープンしている。そこで今回は注目の商業施設とその収益戦略について見ていくことにしよう。

カスケード原宿について

 最近の注目商業施設と言えば、2015年10月3日にオープンした原宿の「カスケード原宿」だ。場所もJR山手線原宿駅から徒歩2分、東京メトロ明治神宮前駅から徒歩1分の好立地であり、アクセスも良い。日本初上陸の飲食店が3店舗入っており、「食」にコンセプトを絞った商業施設だ。このエリアは高低差の多い土地柄であるが、建物はその高低差をうまく利用して滝をイメージした気持ちの良い空間になっている。郊外型のいかにも鉄骨造りの商業施設とは異なり、空間もおしゃれなところが消費者には嬉しいところだ。

 カスケード原宿の特徴は、ターゲットを都会で働き遊ぶ大人たちに絞り込んでいる点だ。10代の街として知られる原宿の中では異彩を放っている。しかしこのコンセプトが原宿に違和感を与えることはなく、コンセプトを明確にし、街の中で鋭く鮮明な個性を発信している。原宿の中にちょっぴり大人の雰囲気を出しているカスケード原宿は、結果として想定ターゲットに留まらない幅広い層の顧客が吸引可能となるだろう。

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その他の注目の新施設

 今年に入ってから他の商業施設も次々とオープンしている。2015年3月には東急不動産が明治通り沿いに「キュープラザ原宿」を、同じく3月に三井不動産が竹下通りに「竹下通りスクエア(原宿ALTA)」、4月にはオリックスが表参道の路地裏に「シックス ハラジュク テラス」をオープンさせた。また2016年11月には銀座松坂屋跡地にも商業施設がオープンする。これらの施設は立地も良い都心型の商業施設であり、集客力のポテンシャルも高い。その分、各テナントにとっては競合も激しいエリアであり、それぞれの店舗の生き残り戦略が重要になってくる。

 郊外型の商業施設も次々とオープンしている。三井不動産が2015月4月に「ららぽーと富士見」(埼玉県富士見市)、7月に「三井アウトレットパーク北陸小矢部」(富山県小矢部市)、「三井アウトレットパーク幕張第3期」(千葉市)を立て続けにオープンさせている。三井不動産のららぽーとやアウトレットシリーズの注目すべき点は、必ずしも好立地とは限らない場所で成功させていることだ。まさに三井不動産の商業施設の運営力が高いことの証明だ。

各施設のビジネス戦略

 最近の各商業施設の戦略には、ターゲットの明確化と専門店化が目立つ。総花的な百貨店の売り上げ低迷が続く中、各商業施設は生き残りをかけてターゲットを絞り込み、消費者を囲い込む戦略を取っている。カスケード原宿では食を、竹下通りスクエアでは大人ディズニーを、シックス ハラジュク テラスは大人の隠れ家をそれぞれテーマとして、コンセプチュアルな施設造りを行っている。

 このコンセプトというのは重要で、例えばあるテナントが抜けてしまった後、コンセプトの異なるテナントを入れ始めると、急速に商業施設の魅力が落ち、来店客が減ってしまうというのは良くある話なのだ。そのため、今後、これらの商業施設の成否は第二、第三のテナント入れ替え時にどれだけコンセプトを維持し続けられるかにかかっている。続々とオープンする商業施設の運営者には、長くコンセプトを維持し反映させ続けることを期待したい。

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