次に来る世界遺産は? 登録の仕組みを知って世界遺産をもっと楽しむ

(写真=PIXTA)

2018年6月、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界遺産への登録が話題となったが、一方で登録を逃した遺産もある。そもそも、世界遺産はどのようにして登録されるのかご存じだろうか。また、次に登録されそうな世界遺産は? 旅行先探しだけでなく、ビジネスにも役立つかもしれない、世界遺産の基礎知識を解説する。

そもそも世界遺産って何?

旅行好き、あるいは歴史好きの人にとって、「世界遺産」という響きは高揚感を抱かせるものかもしれない。

世界遺産とは、ユネスコの世界遺産条約に基づいて登録された、顕著で普遍的価値を持つ不動産のこと。「自然遺産」と「文化遺産」、自然と文化の両側面を持つ「複合遺産」がある。2018年7月時点の世界遺産の総数は1,092件(文化遺産845件、自然遺産209件、複合遺産38件)で、このうち日本の世界遺産は22件(文化遺産18件、自然遺産4件)となっている。

日本では、1993年に法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)、姫路城(兵庫県)、屋久島(鹿児島県)が初めて登録され、その後、古都京都の文化財(京都府、滋賀県)、白川郷・五箇山の合掌造り集落(岐阜県、富山県)、原爆ドーム(広島県)などが続いた。近年は毎年のように登録が決定し、2018年は長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産(長崎県、熊本県)が追加された。

世界遺産に登録されるまでのプロセスは?

世界遺産に登録されるまでに、どのような審査があるのだろうか。まず、世界遺産に登録したいと考える遺産を持つ各国政府が、「暫定リスト」を作成する。そのなかから、準備(顕著な普遍的価値を持つことの証明と、国内における万全の保護措置)が整った遺産について、世界遺産委員会に推薦書を提出する。

推薦書をもとに、文化遺産は国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、自然遺産は国際自然保護連合(IUCN)が現地調査を実施。その結果を参考にし、世界遺産委員会が候補地を審査し、世界遺産への登録を決定する(毎年6月頃)。

もちろん途中で審査に通らなければ登録とはならず、次回以降に再審議する「情報照会」や、推薦書の見直しを求める「登録延期」、再審議を認めない「不登録」などの通告を受ける。2018年は、日本政府が推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」が登録延期となっている。

現段階の推薦待ちリストと次の候補は?

現在、世界遺産の登録を目指す日本の暫定リストには、以下のような物件が挙げられている。

・古都鎌倉の寺院・神社ほか(神奈川県)
・彦根城(滋賀県)
・飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群(奈良県)
・北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群(北海道・青森県・岩手県・秋田県)
・金を中心とする佐渡鉱山の遺産群(新潟県)
・百舌鳥・古市古墳群(大阪府)
・平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園および考古学的遺跡群(岩手県)

このうち2019年6月の登録を目指して推薦書が提出されたのは、「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」だ。日本最大の面積・規模を持つ4世紀後半~6世紀前半に営まれた古墳群である。2019年の審査がどうなるか、地元住民でなくとも楽しみなところだ。

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世界遺産で地域が盛り上がる!

さて、世界遺産は歴史的な価値を持つというだけでなく、その集客効果からビジネスとしての価値も注目される。

たとえば富士山が世界遺産となったことによる経済効果の増加分は、静岡県側・山梨県側合わせて99億円にも上った。また、2019年に審査を迎える「百舌鳥・古市古墳群(大阪府)」は、登録が決まればその経済効果は1,005億円に達するとの試算もある。

世界遺産に登録されれば、観光地としての知名度が上がり、観光客の大幅な増加や消費の増大が期待できる。関連産業の雇用拡大にもつながる。そして、周辺の不動産価格が上昇することもある。世界遺産の宣伝効果はあなどれない。

新たなビジネスチャンスを探している人は、次に登録されるであろう世界遺産に注目してみるのもいいかもしれない。

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