社員がうつ病になった時、会社がやるべきこととは

(写真=M.Vich/Shutterstock.com)

社員一人ひとりの働きやすさを整えることは、経営者として第一優先で行っていかなければならない業務である。在籍している社員の満足度を向上させることで、生産性を向上させ、会社を強くしていけるのはもちろんのこと、新たな人材の採用という局面でも大きな役割を果たしてくれる。しかし逆を言えば、社員一人に何かしらのトラブルがあっただけで、会社全体が大きなダメージを負うということでもある。近年、世間を賑わせる社員のトラブルの一つとして挙げられるのが、うつ病の問題だ。そこで今回は、社員がうつ病と診断されてしまった時、会社としてやるべきことについて解説していこう。

うつ病になる人が増加中

近年、うつ病と診断される社員の数は増加傾向にある。残業や人間関係、業務の激しさなどが主な原因ではあるが、平成24年時点でメンタルヘルスの不調により連続1か月以上休職または退職した労働者がいる事業所の割合は全国で8.1%にも及ぶと言われている。もちろんこれらは世に出ている数字であり、世に出ていない数字や間もなく出てくるであろう数字を含めれば、さらに高い数値が出てしまうことだろう。それぐらい、うつ病の問題というのは深刻であり、かつ身近な存在なのだ。「うちに限って…」が通用しないということを忘れてはいけない。

うつ病患者が出た際に会社がやらなければいけないこと

万が一、会社からうつ病患者が出てしまった場合、会社としてはすぐに対応を進めなければならない。

まずはうつ病と疑われる社員がいた場合で、まだ医師の診断書がない場合は、すぐに医師の診察を受けさせるようにしよう。そうすることで、症状の悪化をとめ、治療を開始できるのはもちろんのこと、場合によってはそれが本当にうつ病なのかの裏を取ることができる。これをやらなければ、場合によっては「うつ病なのに無理矢理働かせた」と言って責任を追及されてしまうことにもなるだろう。

その上で、休業が必要だという診断を受けた場合は、しっかりと休職制度の説明を従業員に行い、自らの意志で選択させることが大切だ。その際、期間や給与、仕事の引き継ぎなどに関しても漏れなく確認しておこう。ここを雑に行ってしまうと、従業員との間に不必要な溝を作ってしまうことにもなりかねない。

そして最後に、会社の労働環境のチェックをしよう。うつ病というのは必ずしも仕事のストレスだけで発生するものではない。プライベートでのストレスが、たまたま仕事をきっかけとして爆発してしまうこともあるものだ。だからこそ、会社の労働環境に不備はなかったかをしっかりと確認し、改善できる点があるのであればすぐに動き出そう。

うつ病患者が出た際に絶対にやってはいけないこと

もしもうつ病患者が出てしまった場合に、絶対にやってはいけないことは2つだ。

一つは「医師の診断書が出ているのに働かせること」。会社の状況や引き継ぎの必要性などで、ほんの短期間でも働いて欲しいと思うことはあるだろうが、そこで我慢ができないと、後々訴えられてしまったり、労災として認定されてしまったりする可能性もゼロではない。まずは治療に専念できる環境を作ってあげることが、会社として一番に果たさなければならない使命でもあるのだ。

その上で、うつ病を原因とした言動を理由に解雇をすることも避けなければならない。うつ病になり、会社に来られなくなってしまった社員がいたとして、戦力にならない社員を辞めさせたくなるのは会社として当然の思いではあるが、そのうつ病の原因が会社にあると見なされてしまった場合には「不当解雇」と判断されるケースもない話ではない。

「腫れ物に触るように」というと少々語弊があるかもしれないが、それぐらい慎重になり、万が一うつ病やその疑いのある社員が出てしまった時には、まっすぐにその人の方向を見てあげることこそが、一番大切な処方薬と言えるだろう。その時にどのように対応できたかで、残っている社員のモチベーションにも大きな影響を及ぼすはずだ。

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