中国アリババ「独身の日」セール、開始2分で売り上げ1,600億円

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

中国EC最大手「アリババ」が仕掛ける、毎年恒例の11月11日「独身の日」セール。「1」が4つ並ぶこの日は中華圏で「双十一(ダブルイレブン)」と呼ばれる。「アンチバレンタインデー」を旗印に小売りや飲食業界では毎年、「お一人様」消費を喚起するプロモーションが繰り広げられてきた。年々そのスケールは拡大。いまや中国のみならず東南アジアまで広く巻き込んで、一大ショッピングカーニバルが繰り広げられている。

1日で5兆円のEC取引

2018年11月11日、アリババのサイトでは、午前0時のセール開始直後から注文が殺到。わずか2分で100億元(約1,600億円)を突破し、午後3時半すぎには2017年の記録である1,682億元を軽々と塗り替えた。最終的な売上高は、前年比27%増の2,135億元を達成。ほかのECサイトと合わせると、この日だけで5兆円もの取引がなされたことになる。

中国のECの祭典はもはや、欧米の年末恒例セール「ブラックフライデー」や「サイバーマンデー」の両方を足しても「双十一」の半額程度にしかすぎないという、とてつもない規模へと成長しているのだ。

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越境EC商品では日本が首位、紙おむつやユニクロ人気

「双十一」のショッピングカーニバルでは、日本製品も多く購入された。18万ブランドが競う中、越境EC商品での国別販売ランキングでは日本が首位。とくに、品質に定評ある日本製の紙おむつが大人気で、販売ランキングのトップ3には日本の紙おむつメーカーが2社ランクインしている。また、アパレル分野ではユニクロが首位を飾った。

スマホの販売ランキングでは、「iPhone」の新モデルを投入したばかりの米アップルが首位。ただ、全体のランキングではファーウエイ、同社傘下のHONOR、シャオミ、ViVO、Oppoなど、中国メーカーが並んだ。一方、アリババのライバルで中国のEC大手、「京東商城(ジンドンしょうじょう)(JD.com)」によると、同社の「双十一」では、パナソニックのトイレが2017年対比1.7倍だった。

コンタクトレンズの「1dayアキュビューディファイン」が同4.3倍の売上を記録した。化粧品のドクターシーラボはセール開始後11分で昨年の売り上げ記録を塗り替え、化粧水部門で1位を獲得した。「双十一」の売上ランキングを見れば、中国人消費者の「いま」が分かるというのも納得だ。

ECを支える技術力やインフラ網もアピール

「双十一」のショッピングカーニバルでは、ECを支えるインフラ網も注目を集めた。JD.comの商流を取り扱う京東物流の無人倉庫では、当日70万個以上の荷物を取り扱い、EC業界での取り扱い荷物量の最高記録を更新。同社の自社物流「京東物流」は中国全土に幅広いネットワークを持っており、「双十一」の狂騒のさなかでも90%の荷物が当日もしくは翌日に配送されたという。

アリババの決済システムやウェブインフラも驚きだ。中国在住者によると、アリババのサイトではあらかじめ買い物カゴにほしいものを入れておき、日付が変わって11月11日になったとたん、購入希望者が一斉に決済ボタンを押す。これだけのトランザクションが一斉に発生したらエラーを生じそうなものだが、ECインフラを支えるアリババクラウドはピーク時に32万5,000件の注文を同時処理し、決済システムの「アリペイ(Alipay)」は前年比41%増の15億件の決済取引を処理した。

同社の「双十一」の受注総件数は、同23%増の8億1,200万件を記録している。「双十一」は、中国EC業界の技術力やインフラ網のレベルの高さをアピールする絶好のチャンスなのだ。また、広告業界も「双十一」に焦点を絞り込む。開催前のテレビCMやネット広告で大規模な宣伝を打ち認知向上に努めただけでなく、前夜からカウントダウンイベントを実施。お祭り気分を盛り上げた。このイベントは海外への生中継もされ、新製品の発表会なども同時に開催される。

「独身の日」から世界一のショッピングカーニバルへ

年間通じてのEC取引額が「双十一」を上回る国は、世界で米国、日本、イギリス、ドイツの4ヵ国しかないという。お一人様の孤独を慰めるためのイベントが、世界最大のショッピングカーニバルになっているということだ。「双十一」の狂騒は、拡大しつづける中華圏の小売マーケットの成長性と中国IT企業の進化や技術力を印象付けるシンボルといえるだろう。

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