「マイホームは一生の買い物」はもう古い?「半投半住」の意識高まる

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(写真=Stasique/Shutterstock.com)

「マイホームは一生の買い物」は今や昔。日本でも、将来の売却や賃貸を見越した「半投半住」思考が広がりつつあるという。将来のリセールバリューを見越した資産価値の高い住宅の条件について見ていこう。

「住宅購入が2回目」は都心6区で4割超

「半投半住」とは、"投資"と"居住"の2つ観点を持ち合わせた住宅購入戦略を意味する造語だ。
リクルート住まいカンパニーの「新築マンション契約者動向調査」によると、今回のマンション購入が2回目以上であると答えた人の割合は、都心6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区)では41%。東京都23区全体でも約25%に上る。中には、3回以上購入している人も存在した。

住宅購入に踏み切ったとして「資産を持ちたい、資産として有利だと思った」と回答した人が25.7%と、2009年以降おおむね右肩上がりとなっている。
資産形成の中で、シングルやDINKSのうちにコンパクトな住居を購入しておき、家族構成に合わせて広い住居に住み替える、またその逆パターンで子供が巣立った後にコンパクトな住居に住み替えるという需要もありそうだ。

空き家増加の一方で都心のマンション価格は高止まり

少子高齢化で日本の人口が減少する中、空き家の増加が社会問題化している。総務省によると2013年時点での空き家率は14%。総務省のデータをもとに野村総研が予測した推計によると、2018年にはこれが17%に上昇し、2033年には30%に達する見通しだ。
「日本の住宅の3割が空き家」という時代が来る可能性があるのだ。

そうした中、「もはや住宅は資産ではない」という声もある。実際、インターネット上ではゼロ円で投げ売りされている物件も見かける。住宅を所有するには、固定資産税や保険など維持費がかかる上に、物件によっては資産価値がマイナスの負債と化しているものもあるのだ。

一方で、上記リクルートの調査での調査対象になっている都心部では近年、マンション価格の上昇が著しい。日本不動産研究所によると、2017年の東京23区での新築・標準タイプマンションの価格は5.9%上昇した。2018年はマクロ経済の堅調で0.5%の伸びが予測されている。
2019年と2020年には消費増税の影響で多少値下がりが見込まれるものの、2021年以降は堅調な推移が予測されている。

つまり、「資産価値が高い家」と「資産価値のない家」の明暗がくっきりと分かれているのだ。

将来価値の下がらない住宅の条件

「半投半住」思考で住宅を買うなら、将来的なバリューが下がらない住宅を購入しなければならない。
資産価値の下がらない家の第一条件は、ずばり「立地」だ。昨今は「職住近接」志向が強まり、郊外の住宅地よりも都心への回帰が加速している。
大方の土地が開発済みの都心では、再開発以外で新たな住宅を開発する余地はなかなか難しい。限られた土地の中で立地の良い物件を探すとなるとおのずと選択肢が限られ、そうした物件は価値が下がりにくくなる。

「駅近」というのも立地を判断するための重要条件だが、都心であれば、ほぼどのエリアも駅近といえる。
災害に強いエリアというのも、昨今注目される条件だ。昨今タワマンが立ち並び、人気のエリアとなっている湾岸地区だが、2011年の東日本大震災で大規模な地盤沈下が起こったことは記憶に新しい。

一方で、都心6区(千代田区、中央区、港区、渋谷区、新宿区、文京区)の多くは、江戸時代からのお屋敷町として知られるいわゆる「山の手」。地盤が形成された年代が古く、傾斜地に建つ建物などでなければ地震被害の可能性は低いとされる。高台にあるため、地震による火災や津波の被害も受けにくいだろう。

不動産を購入するなら将来的な価値も見込んだ選択を

このように、「半投半住」を実現するのであれば、将来価値の下がらない家を購入しなければならず、今の日本の現状では、都心などのごく限られたエリアのみで実現するともいえる。逆に言えば、都心で住宅を購入できるチャンスがあれば、将来的な価値が約束されたのも同然というわけだ。
日本の不動産市場で勝ち組・負け組がはっきりしつつある今、住宅購入をする際は、ぜひ将来的な価値も見込んだ選択をおすすめしたい。

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