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新社会人の調査まとめ—データから見えてくる今年の新入社員の特徴は?


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 毎年、新社会人が生まれますが、新社会人にはそれぞれが育ってきた時代の影響を受けて、職業、会社、ポストなどについて考え方に特徴があります。

 新社会人がどのような考えを持っているかという特徴を知ることは、新社会人をうまく組織に取り込み、早期に戦力化することに役立ちます。そこで、新社会人に対する直近の意識調査から、どのような特徴があるのか見ていきたいと思います。

新社会人の特徴「消せるボールペン型」

 公益財団法人日本生産性本部は、毎年新入社員を対象に就労意識をテーマとする調査を実施し、その年ごとの新入社員の特徴を端的に表す言葉として発表しています。これまで「奇跡の一本松型」(2012年度)、「ロボット掃除機型」(2013年度)、「自動ブレーキ型」(2014年度)など名づけられてきました。2015年度の新入社員のタイプは「消せるボールペン型」と命名されています。

 消せるボールペンの特徴は、見かけは普通のボールペンと同じですが、機能は従来のボールペンと画期的に異なり、これまで不可能であった書いた文字が消せる特徴があります。つまり、見かけが変わらないからと言って、書き直しができる機能(変化に対応できる柔軟性)を見逃すと、その良さを生かせないということを暗示しています。

 日本生産性本部は、新社会人を見かけだけで判断せず、その最大の特質である「書き直しができる機能」(変化に対応できる柔軟性)を活かして欲しいと述べています。一方で、「消せるボールペン」は、インクの色を熱で透明にするため、車のダッシュボードや熱い飲み物の下などに、消せるボールペンで書いた書類を置くと文字が消えてしまうと言う欠点があります。

 従って、新入社員を即戦力にしようと、熱を入れ(熱血指導)すぎると、色(個性)を消してしまいかねないことや、使い勝手の良さから酷使しすぎるとブラック企業と誤解され、すぐにインクが切れてしまう(早期に離職してしまう)危険性をはらんでいると注意を促しています。

新社会人の働くことへの意識

 同じく日本生産性本部と日本経済青年協議会は、新入社員を対象に「働くことの意識」調査を実施しています。最新の調査結果によると、「どのポストまで昇進したいか」という問いには、2013年度に「社長」が過去最低(12.7%)を更新。2014年度は「専門職スペシャリスト」が過去最低(19.9%)を更新。昇進志向と専門職志向の両方が弱まっている傾向が強くなっています。 

 別の調査でも、「役職にこだわりはない」とする回答が、過去最多の25.8%になったという報告があります。ちなみにこの調査では「社長になりたい」と回答した者はわずか3.8%です。

 この調査結果から、新社会人に対して、勤労意欲を高めるために、ポストをちらつかせたり、専門性を活かすようなモチベーションを与えたりしても新社会人の心には大きく響かない可能性があることになります。また、「この会社でずっと働きたいか」という問いに対して、「この会社に定年まで勤めたい」との回答が、ここ数年3割前後しかいないことからも分かります。

新社会人の職業価値観に対する意識

 労働政策研究・研修機構が2014年3月に行った「達成感」、「自己成長」、「社会的地位」、「人間関係」、「自律的な仕事」、および「労働条件」の6項目に対して、何にもっとも価値を置くかという調査が行われています。

 この6項目で、もっとも重視するのは「人間関係」でした。人に喜んでもらえる、あるいは同僚などと和気あいあいと働けることを重視する傾向が見られます。次に重視するのが「労働条件」でした。

 一方、もっとも重視していないのは、「自律的な仕事」で、次が「社会的地位」でした。ここから見えるのは、和やかな雰囲気の中で、スパルタにならない程度に与えられた仕事をこなすことを希望しているということです。この状態では、高度経済成長時代なら組織として問題ないですが、厳しい経営環境の現代においては、新社会人をうまくコントロールしないことには、自律的に問題解決する強い組織は簡単にはできないと考えられます。

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