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相続税対策としての不動産活用術


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(写真=PIXTA)

 相続税対策には大きく分けて2つの方法がある。1つは贈与を行って資産そのものを徐々に減らす方法、もう1つは不動産を活用して資産の評価額を下げて節税するものでがある。贈与については相続までの時間が長くあり、現金を多く持っている場合に有効である。暦年贈与なら毎年110万円ずつ資産を非課税で移転することができる。一方、不動産を活用した節税方法については、使い方しだいで一気に評価額を下げることができる。贈与より短期間で大きな節税効果を生むメリットがあるのだ。そこで、不動産を活用した相続税対策に焦点をあてて解説する。

更地を買っただけでも相続対策

 まず、現金を不動産に変えるとどうなるのだろう。更地に変えるだけでも節税効果はあるのだ。国税庁の基準である相続税路線価の評価額は地価公示の80%と下がるからだ。ここでポイントとなるのが市場価格と評価額との差額だ。特に、都心部の地価公示評価額は、実際の市場価格よりも若干安い傾向にある。そのため、路線価評価額は実際の市場価格の70~75%程度になる可能性はある。一方で、地方は地価公示水準が相対的に高い。理由としては、市区町村税である固定資産税の評価額は地価公示を基準とするからだ。そのため税収確保の観点から地価公示価格が高止まりしており、それに比例して路線価も高い。都心の方が市場価格と評価額のギャップは大きく、節税効果は高いと言えるだろう。 

『広大地』であれば更に効果大

 さらに、『広大地評価』を受けられる土地であれば最大で65%の減価がある。ここでいう広大地とは戸建分譲の開発用地であり、三大都市圏の市街化区域であれば500平方メートル以上で認められる。将来、戸建分譲を開発する際に道路や提供公園を敷地内に作る必要があるため、その分減価されるという考えだ。広大地の原価率は地積によって決まり5,000平方メートルで最大の65%となる。この場合、上述路線価の80%評価と広大地の35%評価を合わせ、元々の現金資産が100百万円だとすると28百万円まで評価を下げることができるのだ。

マンションを活用した対策

 土地ではなくマンションによる節税方法もある。タワーマンションの高層階の購入だ。タワーマンションは高層階ほど市場価格が高くなる。しかし相続税評価額は面積が同じであれば低層階と同じなのだ。そのため、例えば最上階で南東の角部屋のような好条件の物件であれば、市場価格と評価額の乖離が大きくなる。ただこの場合、相続後すぐ売却をすると税務調査が入り、評価額が売却額に修正されてしまうケースがあるため注意が必要となる。

 同じマンションでも、ワンルームマンションを複数戸購入する手がある。収益物件であれば建物が借家権割合の30%が更に減価され、加えて土地の貸家建付地の約20%程度が減額される。節税効果が高く、しかも、家賃収入もるのだ。また分割しやすいというメリットがあるため、複数の相続人で分けやすく、相続人が一部を売却して現金化しやすいというメリットもある。同じ節税効果がアパート単位での購入にも当てはまる。しかし最近はアパート経営そのものの難易度が高くなっているため、多額の借入金によってアパートを建築するよりは投資用のワンルームマンションを購入した方が、リスクは低い。

オフィスビルを活用した対策

 また、意外に知られていないのが、オフィスビルを活用した対策だ。中でも、区分所有オフィスを活用した相続税対策が注目される。相続税評価額が圧縮できる理由は、タワーマンションで述べた通りであり、圧縮効果も同じく8割ほど期待できる。なお、大型ビルは巨額な購入資金が必要なため実用的ではないだろう。

 区分所有オフィスは、中・小型の1棟ビルをワンフロアや1室単位に区分しオフィスとして所有するものだ。例えば同じ都心でも、20坪の立地に建つビルを1棟所有するよりも、200坪10階建ての1フロア(土地持分20坪)を所有する方が、まとまった大きな土地の上に建物が建つため、坪単価が上昇しやすく資産価値の上昇にも繋がりやすい。

 また都心におけるは中・小型ビルは、規制が存在するため既存の商業地にしか建てることができず、バブル以降はほとんど供給されていない点などを鑑みると、需給バランスから将来の賃料や資産価値が安定しやすく、出口戦略も立てやすい。つまり、高額な資産を効率よく節税でき、高い収益が長期にわたり見込める資産の相続という点で、相続人にも喜ばれる対策ができるといえる。

【参考記事】
資産運用から見る『区分所有オフィス』投資のメリット

不動産が節税に繋がらないケース

 一方、現金を不動産に変えることが節税に繋がらないケースもある。代表的なのが底地だ。借地権の目的となっている土地、つまり底地は「自用地の価格×(1-借地権割合)」で評価されてしまう。特に戸建住宅地の底地については、市場性が著しく低いため、実際の市場価格が評価額を下回ってしまうケースがある。このような土地を持っている場合は、むしろ売却して現金に変えた方が良い。低地の他にも土地建物所有権タイプのリゾートマンション会員権など、市場価値の著しく低いものは、売却してキャッシュにした方が節税対策になるのだ。

まずはポートフォリオの見直しから

 相続対策を始めるにあたっては、まずは保有資産全体のポートフォリオを見直すことが肝心だ。その後、収益性、換金性、節税性の3点を重視し、資産を組み替える。収益性、換金性、節税性の低い不動産は現金化し、これらの現金は収益性、換金性、節税性の高い不動産へと変えていく。これらのポートフォリオ対策も暦年贈与と同様、早めに着手することが良いだろう。

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