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最盛期のわずか3%?下落するゴルフ会員権の買い時はイマ?


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 かつては富裕層のステータスであり、資産としての価値も高かったゴルフ会員権。1980年代終盤のバブル経済崩壊と、その後の長期的デフレ不況の影響によって価格は急落し、2014年1月には最盛期のわずか3%程度にまで落ち込んでいる。

 安倍政権の金融緩和政策と円安効果で、日本経済は徐々に回復の兆しが見えつつあるが、ゴルフ会員権もバブル期のように再び活況を呈する時代が訪れることはあるのだろうか?ゴルフ会員権相場をめぐる現状と、今後の情勢について考察してみよう。

バブル期には10年間で10倍に

 1980年代から現在まで、日本におけるゴルフ会員権の価格相場の推移をみると、その折れ線グラフが日本経済の盛衰と見事に一致している。1980年には400万円台後半だった相場価格は、バブル経済の隆盛と共に急上昇し、10年後の1990年には約4,000万円弱にまで達している。つまり、わずか10年間で実に約10倍になったのだ。

 バブル期には、不動産価格の急騰によりサラリーマンやOLまでもが借金をして、土地やマンションなどの投機に走るという異常な世相が続いていたが、不動産と比較して売買手続きが容易なゴルフ会員権もまた、絶好の投資対象として注目を浴び、いわゆるマネーゲームの主役となった。

 元来、ゴルフ場を定期的に利用するゴルファーのためにできた会員制度が、1960年代に第三者に譲渡可能な一種の株取引のような権利売買方式になったことで、ゴルフ会員権は投資の対象となった。1970年代にはゴルフ人気と共にゴルファー人口が急激に増加。バブル経済によってゴルフ会員権の売買取引は一大市場となったのだ。

 ゴルフにまったく関わりのない人物が会員権市場参入することも珍しくなく、ほかのスポーツと異なり、ゴルフの世界では特殊な現象がみられた。

税法改正の影響は

 現在、ゴルフ会員権を発行しているゴルフクラブは全国に約2,220ヶ所で、会員権の発行枚数は約300万枚といわれている。その中で売買が可能なクラブ数が約1,900ヶ所、発行枚数が260万枚。つまり、日本にあるゴルフクラブの約85%以上が会員権売買取引の対象となっているのである。

 日本ゴルフ同友会によれば、260万枚の会員権の約4.3%にあたる約11万枚が、1年間に売買取引されており、ピーク時からはかなり落ち込んだとはいえ、依然として大きな市場であることに変わりはない。長期下落傾向にあった会員権の相場価格だが、2013年以降はアベノミクスによる景気回復の期待感からか、徐々に上昇傾向に。しかし、消費税増税の影響で現在は横ばい状態となっている。

 エコノミストによれば、今後数年はこの状態が続くという見方が大半を占めてはいるが、税制改正の影響もあり、価格がさらに下落する可能性は低いと思われる。

 2014年4月施行の税制改正によって、ゴルフ会員権の損益通算が所得控除の対象外となった。これまでは、会員権の売却で損失を計上した場合、損失分が給与などの所得から差し引ける損益通算の対象となり、課税所得が減ることで税負担も軽減。会員権売却による損失が幾分カバーされてきたが、税制改正により、節税対策に活用できなくなったのだ。

税 制改正の発表以後、2014年3月までは売却が増加したが、現在は沈静化したことから、今後は価格上昇に転じるという予測もあり、今が買い時といえるかもしれない。いずれにせよ、これからのゴルフ会員権の売買には、的確な情報収集力と、慎重な姿勢が求められるだろう。

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